アンスレ民とは何者か – ホロライブアンチスレ住民の実態と特徴

アンスレ民の語源と定義

「アンスレ民」とは、匿名掲示板5ちゃんねるにおけるアンチスレッド(略して「アンスレ」)に集う人々を指す俗称です。アンチスレッドとは特定の人物やグループに批判的・敵対的な書き込みを行うためのスレッドで、ファンスレ(応援スレ)とは対照的に否定的な内容が中心となります。5ちゃんねる文化では人気コンテンツにはファンスレと並んでアンチスレが立つことが珍しくなく、ホロライブも例外ではありません。ホロライブ1期生が始動した2018年6月には早くも最初のホロライブアンチスレがYouTube板に立てられており、以降ホロライブの人気拡大と歩調を合わせるようにアンチスレが継続して存在してきました。匿名掲示板という特性上、投稿者の身元は一切わからないため、アンスレ民たちは互いに匿名の「名無し」として好き放題に書き込めるのが特徴です。そのためしばしば過激な発言やデマも飛び交い、外部から見ると無法地帯の様相を呈しています。実際、5ちゃんねる利用者からも「アンスレの連中は隔離した方がいい」という声が出るほど、匿名ゆえの過激さが目立っています。総じてアンスレ民とは、ネット上でホロライブに対する不満や中傷を匿名でぶつけ合っている人々の集団と言えるでしょう。

ホロライブアンチスレの成立と定着の背景

ホロライブアンチスレが生まれた背景には、ホロライブというコンテンツの急成長とそれに伴う摩擦があります。ホロライブは2019年から2020年にかけて爆発的に人気を伸ばしましたが、それと同時にアンチスレの勢いも増し、治安は次第に悪化していきました。人気が出れば出るほど目立つ存在となり、批判者や敵対者も比例して増えていく――これはネットコミュニティでは珍しくない現象です。また、他のVTuberグループとの競争意識もアンチ増加の一因でした。特に初期には、ライバル視される「にじさんじ」の一部ファンがホロライブアンチスレに混ざり込み、ホロライブへの否定的な書き込みを煽っていたとも指摘されています。こうした背景から、ホロライブの話題が盛り上がる陰でアンチスレも常に存在感を持ち続けることになりました。

しかしアンチスレの存在は単に「叩きたい人が集まる場」に留まらず、ホロライブコミュニティ内の様々な動きと絡み合ってきました。2020年頃にはアンチスレ住民がDiscord上に「ホロアンディスコ」と称する秘密の集会所を設け、スレ運営や情報共有を行っていた形跡もあります。ホロライブのファン向けDiscordサーバーにアンチが潜入して情報をリークしていた例もあり、表では見えない水面下でアンチ活動が活発化していたのです。こうしたアンチ側の組織化に対し、5ちゃんねる運営側も手をこまねいていたわけではありません。2021年2月、ホロライブアンチスレは活動拠点にしていたYouTube板から追い出され、以降は板を転々と移住することになります。一時は嫌儲板(ニュース速報(嫌儲)板)やなんJ板などに仮住まいしましたが、どの板でも長くは定着できませんでした。最終的に彼らが“楽園”と呼んだのが匿名性が極めて高くログも残らない女神実況板で、2021年8月以降はそこを本拠地として現在に至ります。ログが残らない環境を求めて移住を重ねたことからも、アンスレ民がいかに外部からの監視や証拠の蓄積を嫌がっていたかがうかがえます。事実、一部のアンスレ民は海外の匿名掲示板4chanに活動拠点を移そうともしました。それは結果的に失敗したものの、ホロライブの元メンバーであるkson(桐生ココ)も「海外の過激なアンチ勢力の台頭」に警鐘を鳴らすなど、ホロライブアンチ文化が国境を越えて波及する兆しも見せました。

ホロライブアンチスレにおける主な批判パターン

ホロライブのアンチスレ民たちが展開する批判・中傷のパターンには、いくつか顕著な傾向があります。以下に主要なものを挙げ、その特徴を解説します。

  • 運営(カバー株式会社)への過剰な批判:
    アンスレ民はホロライブ運営に対する不満をしばしば激しい言葉でぶつけます。タレントの不祥事対応やイベント運営のミスなど、どんな些細なことでも「無能」「金儲け主義」などと批判しがちです。元々熱心なファンだった者が失望をきっかけに反転アンチ化し、最初は運営叩きに走るケースも見られます。運営批判自体は健全な範囲であれば意見の一つですが、アンスレでは事実確認を欠いたまま感情的に非難する投稿も多く、建設的な議論にはなりにくいのが実情です。
  • 特定タレントへの粘着叩き:
    アンスレ民の中には特定のホロライブタレントを執拗に標的にする者も少なくありません。理由は様々ですが、「気に入らない言動があった」「人気が高いのが癪だ」等の主観的なものが多いようです。例えば2023年初頭には、ホロライブ所属タレント星街すいせいが音楽番組で成果を出したことに対し、「ホロライブを潰すにはまず星街すいせいを叩き落とすべき」などと主張するアンチ集団がDiscord上で結託し、彼女のYouTube企画動画に一斉嫌がらせコメントを仕掛ける計画まで立てていました。このようにアンチスレ発の粘着は時に組織的荒らしに発展し、タレント本人やファンに精神的負担を与える深刻な問題となります。
  • 陰謀論的な主張:
    アンスレ民の批判には事実に基づかない憶測や陰謀論めいた内容も目立ちます。例えば「特定のメンバーが運営幹部と内縁関係にあり、他メンバーを排除してまで優遇されている」というような噂話がアンチスレで語られ、それがさも真実であるかのように拡散されるケースがあります。実際に2024年には「元社員」を名乗る匿名の書き込みで、「運営幹部とさくらみこが私生活で関係しており、その権力で他の人気メンバーを追いやっている」「特定メンバーの同接(水増し)工作まで行われている」等といった衝撃的な内容がNoteに投稿され、物議を醸しました。当然ながら公式に裏付けのない主張であり信憑性は低いものですが、アンチスレ民はこのような刺激的なストーリーを好んで話半分に盛り上がる傾向があります。陰謀論的な批判は読む側の不安を煽りやすく、ファンコミュニティの分断を狙うアンチにとって格好の燃料となってしまうのです。

他掲示板やSNSとの関係性

ホロライブに対するアンチ活動は、5ちゃんねる内の専用アンチスレに留まらず、他の掲示板やSNSにもその影響を広げています。まず5ちゃんねる内では、なんでも実況J板(通称なんJ)や派生のなんG板といった比較的人目につく板にもホロライブの話題が頻出しました。なんJは本来スポーツ実況など雑多な話題の板ですが、深夜帯を中心にVTuberの実況スレが乱立して板の勢いトップを占めることもあり、それに反発するなんJ住民との軋轢がしばしば起きています。実際、「なんGが閉鎖されたのでなんJにホロライブ勢が戻ってきて鬱陶しい」「あいつらは隔離すべきだ」といった声も上がっており、ホロライブファン・アンチの存在感が他板の利用者に影響を及ぼしている様子が窺えます。一方で、ホロライブ関連の実況スレ自体を楽しむなんJ民も一定数存在し、アンチと純粋なファンが混在した独特の空間となっているのも事実です。

SNS上では、Twitter(X)におけるアンチの動きが見逃せません。Twitterにはホロライブタレントへ粘着質にリプライで絡んだり、裏垢で陰口を叩いたりするアンチアカウントが散見されます。その中には「VTuberそのものが嫌いで、一番目立つホロライブを標的にしているだけ」という層もおり、プロフィールを見れば他社のVTuberにも同様にアンチ行為をしていることが分かる場合があります。また、表向きはファンを装って特定タレントを褒めつつ他のタレントを貶める「なりすまし」も存在し、ファン同士の不和を誘発する巧妙なケースもあります。2023年にはTwitter上でホロライブ関連の炎上話題を自動投稿するBOTアカウントまで登場し、「ホロライブ」と検索するとサジェストに「炎上」が出る状態が長く続くという事態も起きました。このBOTは裏でDiscordサーバー「ホロアン倶楽部」を運営しており、そこに集ったアンチたちが情報交換や工作活動の相談を行っていたことも判明しています。例えば先述の星街すいせいの件では、このDiscord内で動画荒らしのタイミングや手口が話し合われ、実際に複数のアンチがYouTubeコメント欄荒らしを決行するといった組織的妨害が確認されました。Twitterは拡散力が強いため、アンチ発のデマや過激な批判が瞬時に多数の目に触れてしまう怖さがあります。ホロライブ運営側も公式Twitterで度々注意喚起を行い、悪質なデマには法的措置も辞さない姿勢を示していますが、SNS上で燃え広がる火を完全に防ぐことは難しいのが現状です。

ホロライブアンチスレには各タレント固有のあだ名や言い回しが多数存在します。タレントの失言や炎上エピソードに由来する蔑称が使われることもあり、ファンにとっては耳障りな表現も少なくありません。文章の文体としては、基本的に砕けた口調で罵倒や嘲笑を交えたものが多いです。草(w)を生やした典型的なネットスラング調から、一見すると丁寧だが皮肉に満ちた文まで様々ですが、総じて相手を挑発する意図が透けて見える文体が主流です。

また、匿名掲示板ゆえの自作自演も横行しています。ID表示のないアンチスレでは、一人の人物が複数の人物を装って連投し、自分の意見に自ら賛同レスを付けることも簡単です。例えば「○○は本当に酷い」という書き込みに対し、直後に「わかる」「○○は許せない」といった同意レスが短時間に集中して付く場合、それらが全て同一人物による可能性すらあります。このように偽装した多数意見であるかのように見せかけることで「皆もそう思っている」という空気を作り出し、読者を心理的に誘導しようとするのもアンスレ民の常套手段です。

さらに狡猾なのは、ファンへの成りすまし工作です。アンチは時にSNSや他所でホロライブファンを装い、不自然な持ち上げ発言や他グループへの比較煽りを行います。そうすることで「ホロライブファンは他所を見下している」「盲目信者ばかりだ」という印象操作を狙い、ホロライブファンと他ファンとの対立を煽るのです。実際、アンチ側のDiscordでは「いかにファンになりすますか」「直接攻撃でなくファン同士の不仲を煽る方法が有効」といった議論がなされていた記録もあります。このようにアンスレ民は単に匿名で悪口を書くに留まらず、時に周到な計画を練ってファンコミュニティを撹乱しようとする点が特徴的です。

ファンが取るべき距離感とネットリテラシー

ホロライブファンにとって、アンチスレ民の存在は不愉快であり時に怒りを覚える対象かもしれません。しかし、ネット上で過激な言動を繰り返す彼らにまともに向き合っても、泥仕合になるのがオチです。ファンとして健全にホロライブを応援していくためには、アンチスレやそこで飛び交う情報と適切な距離感を保ち、冷静な対応を心がける必要があります。

まず大前提として、「アンチに構うな」という鉄則があります。悪意ある書き込みにいちいち反応したり言い返したりすると、それ自体が相手の思う壺です。コメント欄やSNSでアンチを見かけても、感情的に反発せずブロックや通報、無視で対処するのが賢明です。反論したくなる気持ちはわかりますが、彼らはファンを怒らせて騒ぎになること自体を楽しんでいる節があります。悔しくてもグッと堪えてスルーすることが、結果的にアンチ活動の勢いを削ぐことにつながるのです。

次に、ネットリテラシーの観点から情報の真偽を見極める態度を持つことも重要です。アンチスレ発の噂話や批判は、前述の通り事実無根の陰謀論や誇張が含まれている場合が多々あります。そうした情報を鵜呑みにしてSNSで拡散したり他所で触れ回ったりすれば、知らず知らずファン自身がアンチの片棒を担がされてしまう危険すらあります。怪しい情報を目にしたら、公式発表や信頼できるニュースソースと照らし合わせて検証する習慣をつけましょう。例えばホロライブ運営は不定期に「誹謗中傷への対応状況」を発表しており、年間で250件以上の悪質なケースに対して発信者情報開示請求や削除・訴訟といった法的措置を取ったと報告しています。こうした公式の対策状況も把握しておけば、根拠のないデマに惑わされにくくなるはずです。

また、企業側もただ手をこまねいているわけではありません。カバー株式会社(ホロライブ運営)は他のVTuber事務所と協力して誹謗中傷対策を強化しています。つまり、アンチスレ発のデマや中傷がまとめサイト経由で広まるケースにも一定の歯止めがかかりつつあります。ファンとしても、アクセス稼ぎのために過激な対立を煽るような匿名まとめブログの記事は鵜呑みにせず、公式情報や信頼できるファンコミュニティの情報を優先して参照するのが良いでしょう。

ネット上には様々な声が飛び交いますが、健全なファン活動においては「都合の悪いノイズは極力遠ざけ、自分なりのポジティブな応援を貫く」ことが大切です。ホロライブというコンテンツを楽しむ気持ちまでアンチに踏みにじられる必要はありません。正しい情報リテラシーと冷静な対処法を身につけ、アンチスレ民とは適切な距離感を保ちながら、ホロライブの世界を存分に楽しんでいきましょう。

管理人のつぶやき

アンチにろくな人はいないので、無視するか、たまに見て面白がるくらいがいいでしょう

コメント

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