ホロライブ所属のVTuberたちは、自分の名前や活動に関する言及をインターネット上で検索する、いわゆる「エゴサーチ(エゴサ)」を日常的に行っています。
SNS全盛の時代、ファンの反応をダイレクトに知ることができるエゴサは、タレントにとって貴重な情報源であり、同時に諸刃の剣でもあります。
本記事では、ホロライブタレントがエゴサーチをどのように活用しているのか、そのメリットとデメリット、メンタルヘルスへの影響と対策、運営側の対応策、さらにファン文化との関係性について、具体的なエピソードを交えながら解説します。
一文ごとに改行し、読みやすさに配慮したブログ形式でお届けします。それでは見ていきましょう。
ホロライブタレントはエゴサーチをどう活用している?
ホロライブのVTuberたちは、配信やSNS上での反応をエゴサーチによって確認し、自身の活動に生かしています。
例えば、兎田ぺこらさんは配信中に「あるゲームのアップデートが一部ファンの間で話題になっている」ことをエゴサで知り、その日の配信内で取り上げたことがあります。
このようにエゴサによってファンの関心を素早くキャッチし、コンテンツ内容に反映させることで「視聴者が今まさに求めているもの」を提供できるのです。
また、多くのタレントは配信後に自身のハッシュタグや名前で検索をかけ、感想ツイートに目を通しています。実際、ホロライブ二期生の紫咲シオンさんは復帰配信で「リプとかめっちゃ見て、エゴサもして、引用リツイートまで見た」と語り、ファンからの反応をくまなくチェックしていると明かしました。
こうしたフィードバック収集によって、「音量バランスは大丈夫だったか」「企画の評判はどうか」といった点を知り、次回以降の配信改善に役立てているのです。
タレントによっては、エゴサ結果に直接リアクションすることもあります。
たとえば気になるファンアートには「いいね」を押したり、感想ツイートに返信したりと、エゴサを通じてファンとの距離を縮めているメンバーも少なくありません。
これによりファン側も「見てもらえた」「応えてくれた」とモチベーションが上がり、さらに応援したいという好循環が生まれます。
実際、ホロライブメンバーには公式にファンアート用ハッシュタグが用意されており、タレント自身もエゴサ感覚で頻繁にチェックしています。
ファンからすれば、自分の投稿が本人に届く可能性が高いことは大きな喜びであり、「推しに見つけてもらいたい」という思いから敢えてフルネームをツイートに入れることさえあります。
このように、エゴサーチはタレントにとってファンの声をダイレクトに知る手段であると同時に、ファンにとっても推しへ気持ちを届けるための大切な架け橋となっているのです。
エゴサーチがメンタルに与える影響とその対策
一方で、エゴサーチはタレントのメンタルヘルスに良くも悪くも大きな影響を及ぼします。
自分の名前で検索すれば、熱烈な応援メッセージだけでなく時に心ない批判や中傷も目に飛び込んできます。
多くの人がエゴサを通じてまず感じるのは「ショック」であり、期待とは裏腹に酷いことを書かれている場合もあるのです。
「ファンが本音で語ってくれるのは嬉しい」と前向きに受け止められるケースもありますが、度を超えた否定的な言葉は心を痛めるきっかけになりかねません。
実際、ネット上では匿名ゆえに小学校で教わるような悪口のタガが外れ、好き放題に心無い言葉が飛び交う状況があります。
極端に言えば「見なければ傷つかずに済む」のでしょうが、現実には「○○がこんな風に書かれていたよ!」と“親切心”で伝えてくる知人もいたりして、完全に遮断するのは難しいのです。
ホロライブ所属の戌神ころねさんも、エゴサで見た内容に心を痛めてしまった一人です。
2024年5月、ころねさんは「エゴサでメンタルがやられた」と自身のSNSで告白し、少なくとも1週間以上の活動休止に入ることを発表しました。
ここで彼女を追い詰めたのは、アンチからの攻撃ではなくファン同士の対立でした。
「自分のファン同士が言い争っている」「推してくれていた人がアンチ化して辛辣なコメントを残している」という光景を目にし、「みんなに好かれたい」と願うころねさんの心は折れてしまったのです。
具体的には「スーパーチャットを送ってくれる視聴者を贔屓しているのではないか」という批判が例示されており、本人にその気はなくともそうした疑心や不満がファン間で高まっていたことが彼女にとって大きなダメージとなりました。
休止発表後、SNS上では「ころさんを休ませてあげて」「もうエゴサしないで」と彼女を気遣う声が広がり、多くのファンがその心の傷を案じました。
幸い約2週間後に元気に復帰を果たしましたが、この出来事はタレントのメンタル面の脆さとエゴサの怖さをファン・運営双方に再認識させるきっかけとなりました。
ネガティブな側面ばかりではありません。
エゴサーチによって得られるポジティブな言葉の数々は、タレントに大きな勇気と励みを与えてくれます。
先述の紫咲シオンさんは長期休止から復帰する際、「ちょっと見るのが怖かった」とSNSを見ることに不安を漏らしました。
しかし意を決してエゴサしてみると、驚いたことに一つも酷い言葉は見当たらなかったといいます。
「リプも引用RTも全部見たけど、本当に一個も見つけられなかった。みんな本当にいい人だな」と感謝しながら報告した彼女の声には安堵と喜びが滲んでいました。
ファンからの温かな「おかえり」メッセージに溢れていたことで、シオンさんは安心して活動再開できたのです。
また、ホロライブ5期生の桃鈴ねねさんはエゴサ中に「次に辞めそうなホロメンは誰か」という心無い予想投稿を見つけ、自分の名前が“不名誉な1位”に挙がっているのを目にしてしまいます。
普通なら落ち込んでしまいそうなこの状況で、ねねさんは配信で明るく「はぁー? 絶対やめてやんねー!」と宣言しました。
彼女はもともと“逆張り”思考が強い性格で知られますが、この時も「そんなこと言われると逆に辞めません!」と笑い飛ばし、ファンを安心させています。
この開き直りとも言える前向きな対応に、コメント欄は「逆張り助かる」「辞めない宣言めっちゃ嬉しい!」と大いに盛り上がり、不安がっていたファンも思わず笑顔になりました。
ねねさんのようにネガティブな書き込みを逆手に取ってモチベーションに変えてしまうのも、一つの才能かもしれません。
重要なのは、エゴサによる心のダメージを自分なりの方法でケアすることです。
つらいときには思い切ってSNSから離れる、自分に向けられた批判の声ばかりに囚われないなど、タレント自身が上手にコントロールする術を身につけることが求められます。
ファン側も、推しのメンタルを守るために「見られている」意識を持ち、建設的で愛のある発信を心がけることが大切です。
ホロライブ運営・マネジメントのSNS炎上対応
ホロライブの運営会社であるカバー株式会社や各タレントのマネージャーも、エゴサーチやSNS上の反応には細心の注意を払っています。
タレントが不用意な発言で炎上してしまった場合、迅速に謝罪対応を行うのはもちろん、再発防止策を講じるのも運営・マネジメントの重要な役割です。
例えば2020年にホロライブ5期生の尾丸ポルカさん、獅白ぼたんさん、雪花ラミィさんが配信中のある発言をきっかけにプチ炎上した際、それぞれ即座に謝罪コメントを出しました。
彼女たちの謝罪文には共通して「意図せず誤解を与えてしまった」「自分の至らなさを反省している」という趣旨が綴られ、「マネージャーからも注意を受けた」ことが明記されています。
これは裏を返せば、運営スタッフがタレントの発信内容をモニタリングし、問題があれば即座にフィードバックを行っていることを示しています。
マネージャーの助言によりタレント自身が過ちに気づき、公の場で早期に謝罪・訂正を行うことで、大事に至る前に沈静化を図っているのです。
また、タレントがエゴサで心を痛めてしまったケースでは、運営側が休養の提案やサポートを行うこともあります。
前述の戌神ころねさんはエゴサでメンタルダメージを受けた際、「マネージャーや運営に相談した結果、しばらくネットから離れる」という判断を下しました。
このように、マネジメントはタレントの精神状態にも目を配り、必要とあらば「思い切ってSNSを見ない期間を作る」「心療内科や専門医にかかることを勧める」といったケアにも努めていると考えられます。
ホロライブ運営は公式に誹謗中傷への対策も打ち出しています。
にじさんじとホロライブ両運営会社は共同で「匿名掲示板やSNS上での悪意ある誹謗中傷行為が、所属VTuberの心を傷つけ活動を困難にしている」と声明を発表し、悪質なケースには法的措置も含め断固たる対応を取る方針を示しました。
具体的には、名誉毀損やプライバシー侵害、荒らし行為、殺害予告やストーカー行為などに対し、警察機関との連携強化やノウハウ共有を通じて根絶に向け邁進するとしています。
このような公式声明は、タレントだけでなくファンに対しても「行き過ぎた攻撃は許さない」という明確なメッセージとなりました。
また、ホロライブではSNSガイドラインも整備されており、タレント自身にも「炎上しやすい話題への言及は控える」「政治宗教などデリケートな話題は避ける」「トラブル時はマネージャーに報告する」等の指導が行われているようです。
具体的なマニュアルは非公開ですが、多くの所属タレントの振る舞いからその方針がうかがえます。
エゴサーチとの付き合い方についても、運営から各メンバーへ助言があると推測されます。
中にはエゴサ用の専用ハッシュタグをファンに呼びかけているタレントもいます。
例えばホロライブ6期生(秘密結社holoX)の沙花叉クロヱさんは、「これまでエゴサで見つけたファンのツイートには可能な限り“いいね”していたけれど、今後は『#漆黒の観測者』というタグをエゴサに使おうと思います」と配信で表明しました。
理由は、自身の名前でパブリック検索をすると同名の別分野の話題や大量の無関係ツイートがヒットしてしまい、ファンの声を見落とす危険があるからだそうです。
この対応はつまり、ファンには公式の場で建設的な感想をタグ付きで投稿してもらい、タレントはそこだけを見るという暗黙のルール作りでもあります。
タレントのメンタルを守りつつ健全な交流を図るため、運営・マネジメントとタレント本人が協力してSNSとの適切な距離感を模索しているのです。
ファン文化とエゴサーチの関係
ホロライブにおけるエゴサーチ文化は、ファンコミュニティにも独自の影響を与えています。
ファンの側は「タレントがエゴサしている」という前提を意識しており、自分たちの発信が推しに届く可能性が高いことを理解しています。
そのため、推しの名前を敢えてツイート文に入れる、公式ハッシュタグを活用する、といった工夫を凝らすファンが多く見られます。
「●●ちゃん今日も最高だった!」「△△の歌声に感動した」等、愛情や賞賛に満ちた投稿には必ずと言っていいほどタレント名や固有のタグが含まれており、エゴサでヒットしやすいよう配慮されています。
ファンにとって、自分の想いが推し本人に読んでもらえることほど嬉しいことはありません。
実際、「配信後に感想ツイートしてくれたら本人が見てくれていいねしてくれた!」という報告がSNS上で飛び交うこともあり、そうしたエピソードがさらにファン活動の活発化につながっています。
ファン文化として特筆すべきは、大規模な盛り上がりを見せる応援イベントです。
ホロライブではメンバーの誕生日や記念日、ライブ開催時などにファン有志が呼びかけて特定のハッシュタグをトレンド入りさせることが通例になっています。
例えば初の大型ライブ「ノンストップ・ストーリー」の際には「#とまらないホロライブ」というタグがTwitter世界トレンド1位に輝き、会場に足を運べなかったファンもSNS上で一体感を共有しました。
こうしたタグ祭りはタレントたちもリアルタイムで把握しており、配信や後日の投稿で「○○がトレンド入りしててビックリした、みんなありがとう!」と感謝の気持ちを述べる場面もよく見られます。
ファンが心を一つにして盛り上げた結果が数字やトレンドという形で見えるため、タレントにとっても「こんなに多くの人が応援してくれているんだ」と実感する貴重な機会となっています。
もっとも、ファンコミュニティ内でもエゴサ文化には賛否が存在します。
良識あるファンほど、「推しに余計な心配をかけたくない」という思いから、公の場での過度な批判やネガティブな発言を控える傾向があります。
たとえ不満や提案があっても、直接名前を出さずにオブラートに包んだ言い方をしたり、匿名掲示板などタレントの目に触れにくい場所でこっそり議論したりするファンもいます。
一方で、匿名に隠れて辛辣なコメントを投げつけるアンチや、一度はファンだったのに掌を返して攻撃し始める「反転アンチ」も存在します。
そうした動きがあることもファン側は把握しているため、多くのファンは「自分たちの声が推しを傷つけていないか」を気にかけています。
実際、先述のころねさんの件では「ファン同士のいざこざで推しを悲しませてしまった」ことに対して自戒の念を示す声も多く見られました。
ファン文化とエゴサの関係は双方向的であり、ファンの発信がタレントの心に影響を与え、逆にタレントの反応がファンの姿勢を変えるという相互作用が生まれています。
さらに興味深いのは、タレントがエゴサ結果に触れることでミームやネタが共有されていく現象です。
ファンの間で生まれた愛称やジョークがエゴサ経由で本人に伝わり、配信内で「それ知ってるよ」とイジったり公式グッズのデザインに採用されたりすることもあります。
このように、エゴサはファン発の文化が公式にフィードバックされる経路にもなっており、ファンとタレントが一緒になって文化を醸成している面もあるのです。
おわりに
ホロライブとエゴサーチの関係を振り返ると、それは「近くて遠い」ファンとVTuberの距離感を象徴しているように思えます。
エゴサーチによって、VTuberはファンの本音に触れ、喜びや反省材料を得ることができます。
同時に、不用意に深淵を覗き込めば傷ついてしまう危険も孕んでいます。
ホロライブのタレントたちは試行錯誤しながらエゴサと向き合い、ときに励みに変え、ときに距離を置きつつ、自身のメンタルと活動を両立させています。
ファンもまた、自分たちの言葉が推しに届くことを理解し、愛のある応援を届けようと日々努めています。
エゴサーチは諸刃の剣ですが、その刃の向きは私たち次第です。
ファンがポジティブな声援を送り続ける限り、エゴサはVTuberにとって大きな支えとなるでしょう。
そして、仮に否定的な声があったとしても、ホロライブのタレントたちはそれすらも糧にして強く成長していくに違いありません。
これからもタレントとファンが二人三脚で歩み寄り、お互いを思いやるSNS文化を育んでいけることを願っています。
管理人あとがき
執筆にあたって最初に思ったのは、「エゴサって、ほんとうに難しいテーマだな」ということでした。
ファンとしては、自分の想いが推しに届くのは嬉しい。
推しの側も、ファンの応援の声が活動の力になる。
一見すると理想的な循環のようにも見えるのですが、そこに「言葉のナイフ」や「すれ違った感情」が混じると、簡単にその関係は崩れてしまう。
とても繊細で、かつ今の時代を象徴するようなテーマだと感じました。
ホロライブのタレントは、みな配信や活動を通じてファンの期待に応えようと努力しています。
その姿勢は、エゴサによってファンの声を拾い上げ、配信の内容に反映している点からも見て取れます。
だからこそ、ファンの声がタレントを支える「追い風」になることもあれば、逆に「向かい風」になってしまうこともある。
この記事でご紹介したエピソードの中でも、戌神ころねさんの件はとりわけ印象的でした。
誰かを応援したいという気持ちが、知らず知らずのうちに「誰かと比べること」や「仲間内の競争」に変わってしまうことがある。
それがタレント本人にとって、どれだけのストレスになるか──。
エゴサは、ファンとタレントの距離を近づける橋であると同時に、時にその橋を落としてしまう爆弾にもなり得る。
だからこそ、お互いに気遣いと節度を持ち続けることが大切だと強く感じました。
個人的にとても興味深かったのは、紫咲シオンさんや桃鈴ねねさんのように、エゴサから得たネガティブな声をうまく「笑い」や「前向きなリアクション」に変えていたタレントたちです。
特にねねさんの「絶対やめてやんねー!」という反骨精神には、思わず笑ってしまいましたし、ファンとしてすごく安心もしました。
こういうユーモアやしたたかさを持っているからこそ、長く活動を続けていけるのかもしれません。
もちろん、全員がそうできるわけではありませんし、だからこそ運営やマネージャーの支えも必要になるのでしょう。
また、ファン側の文化や空気感も、ここ数年でかなり成熟してきた印象があります。
「これは見られているかもしれない」「推しのメンタルに配慮しよう」という意識が、以前より強く共有されてきたように思います。
それでも匿名掲示板やSNSには、辛辣な言葉が日々飛び交っているのもまた現実です。
「見ない」「気にしない」という選択肢を取るのが難しい時代だからこそ、自分の発する言葉が誰かの心に届く可能性があるということを、発信する側も意識していきたいですね。
自戒も込めて、そう思います。
このブログでは、これからもホロライブの文化やファンとの関係性について、深く丁寧に掘り下げていきたいと考えています。
表面的なニュースや切り抜きだけでは見えない、背景や想い、そしてコミュニティの動きまでを追いかけていきますので、もしよろしければ引き続きお付き合いください。
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