「HLZNTL」とは?

~ゲーム×タレントの新時代プロジェクトを徹底解説~

2023年、ホロライブプロダクションは新たな挑戦を始めた。

その名は「HLZNTL(ホリゾンタル)」。

「ホリゾンタル」とは「水平」という意味を持つ英単語「Horizontal」から名付けられた名称であり、「すべての人が横一線で繋がる境界のないコミュニティ」を目指すという理念が込められている。

ホロライブといえば、アイドル活動や音楽ライブが中心というイメージを持つ人も多いだろう。

しかし、このHLZNTLは明確に「ゲーム文化」に重きを置いたプロジェクトである。

本記事では、ホロライブ初心者の方にもわかりやすく、HLZNTLのコンセプト、参加メンバー、イベント内容、制作体制、今後の展望に至るまで、2025年6月時点の最新情報をもとに解説する。

HLZNTLのコンセプト

HLZNTLは、ホロライブ所属のVTuberがゲームに本気で取り組み、その姿をファンと共有することで、「挑戦する姿を応援し、見守る」ことを主旨としたコミュニティ型プロジェクトである。

これまでのホロライブにおける「かわいさ」「歌」「踊り」に加え、「ゲームに挑む姿」をコンテンツとして打ち出す新機軸と言える。

国境や性別、企業の枠組みなど、あらゆる境界を越えて、すべての人がフラットに楽しめる場を創出するという意味で「水平(ホリゾンタル)」という名が選ばれている。

特徴的なのは、特定ユニットや新キャラクターを作るのではなく、ホロライブ所属の既存タレントたちがHLZNTLの一員として企画ごとに参加するという形式を取っている点だ。

また、「ゲームをきっかけに、タレントの新たな一面を引き出すこと」も明確な目的の一つとして掲げられている。

初期メンバーとイベントの流れ

HLZNTLの初イベントは、2023年8月に開催された「hololive × VALORANT MEET UP」。

人気FPS『VALORANT』を用いたホロライブ内大会であり、白上フブキ、獅白ぼたん、常闇トワ、百鬼あやめ、夜空メル、桃鈴ねね、風真いろは、紫咲シオン、夏色まつり、ラプラス・ダークネスなど、豪華メンバーが参加した。

この大会では、ゲーム初心者と中級者が混在するチーム構成で、勝敗だけでなく、協力や交流、エンターテインメント性が重視された演出が特徴だった。

また、白上フブキと獅白ぼたんがMC(進行)を務め、ゲーム配信初心者にも理解しやすいよう、ルールや魅力の解説が丁寧に行われた。

第2弾は2023年8月末に開催された「Holizontal JAM Overwatch 2」。

この回では、ホロスターズ(男性VTuberグループ)からもメンバーが加わり、性別を超えたホロライブプロダクション全体のコラボが実現した。

Overwatch 2のストーリーモードやカスタムマッチを用い、さらにeスポーツ風のチームバトル演出が加わるなど、初回を超えるスケールの大会となった。

実況にはプロのキャスターが参加し、見ごたえある構成となっていた。

HLZNTLと音楽活動の関係

HLZNTLはあくまでゲーム文化を中心に据えたプロジェクトであり、2025年6月時点ではオリジナル楽曲や音楽ユニットの展開は存在していない。

これは、音楽ユニットを中心とする「ホロライブアイドルプロジェクト」との住み分けがなされているためである。

ただし、参加タレントはそれぞれホロライブの一員として個別に音楽活動を継続しており、HLZNTL参加が音楽活動を妨げることはない。

ゲーム大会中に既存の楽曲が演出として使われるなど、間接的に音楽要素が関与する場面もある。

将来的には、HLZNTLテーマソングや、ゲーム大会を記念した音楽作品が登場する可能性も残されている。

HLZNTLが描く世界観

HLZNTLには、ホロライブオルタナティブのような物語設定は存在しない。

その代わり、現実のゲーム業界・eスポーツ文化に、バーチャルタレントたちが自然に入り込んでいくという「リアルとバーチャルの融合」が世界観の中心にある。

特筆すべきは、「ゲームを通じて世界中のファンと繋がること」が前提となっている点である。

多言語展開や海外勢の参加も想定されており、今後、英語圏やアジア圏でのHLZNTLイベント開催の可能性も示唆されている。

また、カバー株式会社が掲げる「多様性と健全性を重視した応援文化」をHLZNTLでも強調し、「推しを安心して応援できる空間づくり」を追求している。

制作陣と参加企業

HLZNTLの立ち上げは、カバー株式会社社内の横断プロジェクトチームが主導して行った。

第1弾VALORANT大会では、ライアットゲームズと協力し、ゲーム内演出やカスタムルールも調整された。

第2弾Overwatch 2大会では、Blizzard EntertainmentおよびXbox Japanと連携し、実質的に公式プロモーションも兼ねたイベントとなった。

大会の実況・解説には、eスポーツ業界で活躍する専門キャスターを招聘することで、配信の完成度も非常に高かった。

タレントのキャラクターデザインは既存のものを使用しつつ、HLZNTLのロゴや演出には専用のビジュアルが採用された。

マーケティングとメディア展開

HLZNTLの始動と同時に、公式サイト、YouTubeチャンネル、Twitchチャンネル、X(旧Twitter)の開設が行われた。

イベント配信は主にホロライブ公式YouTubeチャンネルで実施され、補足情報や振り返りなどはHLZNTL専用チャンネルやSNSで発信されている。

イベントごとに「#ホロヴァロ」「#ホロOW」などのハッシュタグが使われ、視聴者の感想やファンアートが盛り上がる仕組みも整備された。

また、ファミ通、電撃オンライン、Game Watchなど、ゲーム専門メディアにも積極的に取り上げられた。

これはVTuber文化の枠を越えて、eスポーツ・ゲーム業界への訴求を意識した広報戦略の一環と考えられる。

イベントスケジュールと展望

2023年7月末:プロジェクト「HLZNTL」がカバー公式noteで初公開。

2023年8月3日:「hololive × VALORANT MEET UP」開催。HLZNTL初の大型イベント。

2023年8月30日:「Holizontal JAM Overwatch 2」開催。ホロスターズも参加し、性別混合チーム戦が実現。

2023年8月31日:HLZNTL公式サイト・SNS開設。正式プロジェクト始動として位置付け。

2024年~2025年:目立った新大会は開催されていないが、継続的に新企画の可能性は残されている。

プロジェクトは決して終了したわけではなく、年1回ペースやシーズン制による開催といった展開も想定されている。

今後、HLZNTLが新たなタイトルで再始動するかどうかは公式発表が待たれる段階にある。

HLZNTLはホロライブの未来か

HLZNTLは、ホロライブが築いてきた「アイドル×配信文化」という枠を拡張する試みである。

単なるゲーム大会ではなく、「タレントたちがゲームで本気を出す姿に価値がある」という新たな価値観を提示している。

また、ホロライブが海外ファン、eスポーツ業界、ゲーム企業との橋渡しとなる可能性も秘めており、今後の展開次第では、バーチャルエンターテインメントの未来を切り開く鍵にもなり得る。

HLZNTLはまだ始まったばかりのプロジェクトだ。

しかしその背後には、ホロライブが積み重ねてきた信頼、実績、そして挑戦への意志がある。

これからのHLZNTLがどのような物語を紡いでいくのか、期待とともに見守っていきたい。


管理人のひとこと

HLZNTLというプロジェクトは、個人的にも非常に注目している取り組みのひとつです。

ホロライブといえば音楽ライブや雑談配信、歌ってみた動画などが主流ですが、そんな中で「ゲームを本気で楽しむ姿」にフォーカスしたこの企画は、タレントの新たな一面を見せてくれる貴重な場だと感じています。

特に、普段はあまりゲームに触れないようなメンバーが一生懸命練習して大会に臨む様子や、逆にゲーマー気質のホロメンが本気を出して活躍する姿は、どちらも見応えがあります。

また、ホロスターズの参加や海外メンバーの登場など、「境界を越える」というHLZNTLのテーマが、実際のイベントでもきちんと体現されている点も好印象でした。

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