ホロライブ・サマー2019とは?

ホロライブ・サマー2019は、バーチャルYouTuberグループ「ホロライブ」が2019年夏に初めて開催した大型夏季イベントです。ホロライブ所属タレントたちが夏ならではの水着姿の3Dモデルで登場し、オンライン配信やオフラインイベントを通じてファンを盛り上げました。ホロライブに不慣れな初心者の方に向けて、本記事ではホロライブ・サマー2019の内容、参加メンバー、開催の背景、ファンの反応、その後の影響までを丁寧に解説します。

企画概要と内容

ホロライブ・サマー2019は、2019年7月から9月にかけて行われたホロライブ初の夏季キャンペーンイベントです。主なコンテンツはホロライブメンバーの水着モデルお披露目配信で、当時3Dモデルを持っていたタレント全員に新たに水着衣装が制作され、順次ライブ配信で披露されました。トップバッターはホロライブ1期生の赤井はあとで、彼女は2019年7月9日に自身のYouTubeチャンネルで水着姿を初公開しました。その後、8月から9月にかけて他のメンバーも次々と水着お披露目生放送を実施し、イベント最終盤には9月17日の大空スバル配信まで約2か月半にわたって水着配信が続きました。

この期間中には、以下のようなスケジュールで水着配信がおこなわれています(日時は日本時間):

  • 7月9日(火):赤井はあと(水着モデル初お披露目配信)
  • 8月3日(土):さくらみこ(水着モデル配信)
  • 8月4日(日):アキ・ローゼンタール(水着モデル配信)
  • 8月6日(火):夏色まつり(水着モデル配信)
  • 8月9日(金):百鬼あやめ(水着モデル配信)
  • 8月14日(水):ときのそら(水着モデル配信)
  • 8月17日(土):湊あくあ(水着モデル配信)
  • 8月23日(金):夜空メル(水着モデル配信)
  • 8月24日(土):ロボ子さん(水着モデル配信)
  • 8月26日(月):紫咲シオン(水着モデル配信)
  • 8月27日(火):癒月ちょこ(水着モデル配信)
  • 8月28日(水):白上フブキ(水着モデル配信)
  • 9月11日(水):大神ミオ(水着モデル配信)
  • 9月17日(火):大空スバル(水着モデル配信)

各配信では、普段とは異なる水着衣装の3Dアバターを身に着けたホロライブメンバーが登場し、夏らしい演出でトークやパフォーマンスを披露しました。例えば、水着モデルのお披露目とともにプールサイドを模したステージで雑談したり、夏祭り風の小道具を用いたミニゲームやコラボ企画が展開されたりと、夏休み特有の開放的な雰囲気でファンを楽しませました。また、期間中には水着姿での歌枠リレー配信などメンバー同士の特別コラボ企画も行われ、イベント全体を通して「ホロライブの夏」を感じられる多彩なコンテンツが用意されていました。

さらにオフラインの取り組みとして、ホロライブは2019年夏のコミックマーケット(コミケ96)に企業ブースを初出展しました。8月9日~12日に東京ビッグサイトで開催されたコミケ96では、ホロライブ公式ブースにてイベント記念グッズの販売が行われています。中でも注目を集めたのが、公式ファンブック『SUMMER SCENES』です。これはホロライブ所属タレントのキャラクターデザインを手掛ける公式イラストレーター陣16名による描き下ろし水着イラストと、タレント本人のインタビュー記事を収録した豪華ファンブックで、コミケ会場限定セットの目玉商品となりました。その他にも各メンバーをモチーフにした夏グッズ(タペストリーやアクリルスタンド、Tシャツなど)が販売され、オンライン配信だけでなくリアルイベントでもホロライブの夏企画は大きな盛り上がりを見せました。

参加メンバーと当時の在籍状況

ホロライブ・サマー2019に参加したのは、当時ホロライブに所属し3Dモデルを保有していたメンバーです。具体的には以下の14名が水着モデル配信を行いました。

  • ホロライブ0期生(初期メンバー):ときのそら、ロボ子さん、さくらみこ
  • ホロライブ1期生(2018年デビュー組):夜空メル、アキ・ローゼンタール、赤井はあと、白上フブキ、夏色まつり
  • ホロライブ2期生(2018年デビュー組):湊あくあ、紫咲シオン、百鬼あやめ、癒月ちょこ、大空スバル
  • ホロライブゲーマーズ(ゲーム実況ユニット):大神ミオ (※白上フブキは1期生と重複)

当時ホロライブには0期生~2期生とホロライブゲーマーズまでのグループが存在し、翌年以降にデビューする3期生(ホロライブファンタジー)以降のメンバーはまだ在籍していませんでした。上記のとおり、ホロライブ・サマー2019では0期生の3名、1期生全員(5名)、2期生全員(5名)、ゲーマーズから大神ミオの計14名が勢揃いで水着姿を披露したことになります。このメンバー選出は、2019年7月時点で3Dモデル化されていたタレントに限定されており、当時まだ2Dのみで活動していた新人(例:2019年途中に加入したホロライブ3期生など)はイベントに含まれていません。

各参加メンバーについて、その所属グループや当時の状況を補足します。当時、ときのそら、ロボ子さん、さくらみこは後に「0期生」と総称される初期メンバーにあたります(さくらみこは2019年に正式にホロライブ所属となった経緯があります)。白上フブキは1期生ですが同時にゲーマーズのリーダー格でもあり、1期生5人の中に含めました。ゲーマーズからはフブキに加えて大神ミオが参加しています(大神ミオは2019年6月に3Dモデルを公開済み)。なお、ゲーマーズの残り2名(猫又おかゆ、戌神ころね)は3Dモデル獲得が2019年9月中旬以降だったため、この年のホロライブサマーには間に合わず不参加でした。また星街すいせいAZKiといった当時ホロライブ系列所属でありながら別プロジェクト(イノナカミュージック)に属していたVTuberは、本イベントには含まれていません。結果として、当時ホロライブに在籍していた全メンバー(総勢14名)が水着姿を披露した形となり、グループの垣根を越えたホロライブ合同イベントとも言える内容になりました。

開催の背景と経緯

ホロライブ・サマー2019が企画された背景には、ホロライブ運営の成長戦略とファンサービスの両面がありました。2019年前半までにホロライブは所属VTuberの3Dモデル化ラッシュを進め、多くのタレントがライブ3D配信を可能にしました。その直後のタイミングで「次は水着ラッシュで夏を盛り上げよう!」というコンセプトのもと、本イベントが立ち上げられています。運営会社カバー株式会社の発表によれば、「3Dラッシュの次は水着ラッシュの予感!?」というキャッチコピーとともにホロライブ・サマー2019の開幕が宣言されており、3D技術を活用した新たな試みとして水着衣装の制作・公開が企画されました。

当時のVTuber業界では、水着配信はややセンシティブな企画でもありましたが、ファンに夏らしい楽しさを提供したいというホロライブ運営の意向が背景にありました。2019年7月にはホロライブ公式ファンクラブ(ニコニコ動画内)が開設されており、ファンクラブ会員向けの限定配信なども計画される中で、特別感のあるコンテンツとして各種水着企画が用意されたと考えられます。実際、ホロライブ・サマー期間中にはファンクラブ限定の水着コラボ配信も予定されており、一部ではアクセス集中で配信サーバが一時ダウンするほどの注目を集めました。こうした動きは、ホロライブが当時急速にファン層を拡大しつつあったことを示すエピソードと言えるでしょう。

また、オフライン進出への布石も背景の一つです。ホロライブは前述のとおりコミックマーケット96に初出展し、この機会に知名度向上と新規ファン獲得を狙いました。企業ブースで販売した公式ファンブックやグッズは軒並み好評で、ホロライブというコンテンツがネット配信の枠を越えてリアルイベントでも通用する手応えを得ることになりました。ホロライブ・サマー2019は、ホロライブ運営にとって初の大規模プロモーション企画であり、新しい季節イベントの試金石でもあったのです。

ファンやネット上の反応

ホロライブ・サマー2019はファンから大きな反響を呼びました。配信が始まるとTwitter上では公式ハッシュタグ「#ホロライブサマー」が盛んに使用され、推しVTuberの水着姿に歓喜するツイートやイラストファンアートが多数投稿されました。特に各メンバーの水着デザインは大きな注目ポイントで、例えばさくらみこのピンク色フリルビキニや湊あくあのマリンテイスト水着など、キャラクターの個性に合わせた衣装がファンを喜ばせました。普段は見られないアイドルたちの夏服姿というギャップもあり、リアルタイムの配信視聴者数は普段以上に伸び、チャット欄も興奮や称賛のコメントであふれました。

一方で、ネット上では「YouTubeの規約的に大丈夫なのか?」といった声も一部で見られました。当時からYouTubeでは過度な肌の露出に対する規制が存在しており、VTuberの水着配信がどこまで許容されるかは未知数だったためです。事実、癒月ちょこの水着配信アーカイブが後日非公開になるなど、運営側も慎重な対応を取った例がありました。しかし総じてファンの反応はポジティブで、「夏のホロライブ最高!」といった感想や「毎年恒例にしてほしい」という要望も多く寄せられました。初めてホロライブサマーを体験したファンにとって、その思い出は強烈で、以降しばらくの間コミュニティ内で語り草になるほどでした。

さらにこのイベントをきっかけに新規ファンになった視聴者も少なくありません。当時ホロライブを知らなかった層が、夏らしい話題性から水着配信クリップ動画などで興味を持ち、各タレントのチャンネル登録者が増加する効果もありました。まとめサイトやSNSでは「ホロライブってこんな楽しい企画やってるんだ」という驚きの声が上がり、ホロライブ全体のプロモーションとしても成功を収めました。ホロライブ・サマー2019終了後にはファン有志による動画まとめ(ダイジェスト)やイラスト企画なども作られ、**「伝説の夏企画」**として後年まで語り継がれる人気イベントとなったのです。

その後の影響と展開

ホロライブ・サマー2019は、その後のホロライブ公式イベントに大きな影響を与えました。まず直接的な続編について言えば、残念ながら2020年および2021年の夏には同様のイベントは開催されませんでした。これは、前年の水着配信に対するYouTube側の規制強化への対応など複数の要因により、運営が開催を見送ったためです。ホロライブのタレント数自体は2020年以降に飛躍的に増えましたが、配信プラットフォームのポリシーやコンプライアンスを考慮し、水着姿を大々的に扱う企画は一時ストップすることになりました。このため**「ホロライブサマー」の名は2019年限定の幻のイベント**となり、特に2020年以降にホロライブファンになった人々にとっては「噂に聞く伝説の夏企画」という存在になっていました。

しかしファンやタレントからはホロライブサマー復活を望む声が消えることはなく、運営も模索を続けた結果、2022年夏に3年ぶりの「ホロライブ・サマー」復活が実現します。ホロライブ・サマー2022では、新たに**「シャイニーウェーブ」と名付けられた水着風衣装が多数のメンバーに実装され、オンライン上での夏季特別企画や楽曲リリース、さらにコミックマーケット100への出展やリアル謎解きイベント(デジタルスタンプラリー)、ホロライブ縁日(ホロライブ屋台の出店)など2019年を上回る規模**で展開されました。復活が発表された際、当時ホロライブの公式配信同時視聴者数が20万人を超えるなど大きな話題となり、改めてホロライブサマー企画の人気ぶりが証明されています。

ホロライブ・サマー2019で確立した**「ホロライブの夏の風物詩」**という路線は、その後公式の年中行事的な位置づけへと変化しました。2022年以降、ホロライブサマーはファン待望の恒例イベントとなり、新たなメンバーを加えつつ水着衣装や夏限定コンテンツを提供しています。例えば2023年のホロライブ・サマーでは水着ライブステージ企画やオリジナル楽曲第2弾「ホロメン音頭」の配信など、夏ならではの公式展開がさらに強化されました。こうした動きの原点には、2019年の初開催が成功裡に終わったことと、ファンコミュニティに強いインパクトを残したことがあると言えます。

総括すると、ホロライブ・サマー2019はホロライブ初期のエポックメイキングなイベントでした。夏のホロライブを象徴する企画として大成功を収め、休止期間を挟みつつも後年に復活・発展を遂げています。初心者の方にとっては、「ホロライブって夏にこんな面白いことをやっていたんだ!」と知るきっかけになるでしょう。ぜひ今後の夏恒例イベントにも注目しながら、2019年当時の伝説の夏を振り返ってみてください。

管理人のあとがき

「ホロライブサマー2019」は、ホロライブにとってもファンにとっても特別な意味を持つイベントだったと、改めて感じます。

まだ3期生すらいなかった時代、ホロライブという存在は今のような巨大グループではなく、限られたメンバーと小規模な運営による“手作り感”のあるプロジェクトでした。

そんな中で実施された水着お披露目という企画は、ファンとの距離感をぐっと近づけ、キャラクターとしての魅力を夏らしく引き出した名イベントだったと思います。

当時は3Dモデルがあること自体が貴重で、さらに水着衣装まで用意されたとなれば、ファンが熱狂するのも当然でした。

そしてこのイベントがなければ、2022年以降のホロライブサマーの復活もなかったでしょう。

「もう二度と見られないかもしれない」という儚さがあったからこそ、ファンの記憶に強く残り、「伝説の夏」と呼ばれるようになったのだと思います。

最近ホロライブを知った方にも、ぜひこの2019年の夏を振り返ってもらいたくてこの記事を書きました。

アーカイブが非公開になっている配信もありますが、ファンによるイラスト、思い出語り、まとめ動画など、ネットの海にはたくさんの痕跡が残っています。

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