VTuberファン界隈でよく目にする不思議な言葉「てぇてぇ」。
初めて見る人にとっては「どういう意味!?」と戸惑うかもしれません。
実はこれ、「尊い(とうとい)」という言葉が変化したネットスラングなんです。
推しキャラやVTuber同士の尊すぎる瞬間に遭遇したとき、思わず発してしまう感嘆詞が「てぇてぇ」なのです。
この記事では、そんな「てぇてぇ」の意味や由来、使われ始めたきっかけから、VTuber業界全体での広まり、さらにホロライブにおける具体的な使用例まで、初心者にも分かりやすく解説します。
これを読めば、配信やSNSで流れる「てぇてぇ」の嵐にもきっとニヤニヤできるようになりますよ。
「てぇてぇ」の意味 – 「尊い」の最上級!?
まず「てぇてぇ」が表す意味を押さえておきましょう。
簡単に言うと「尊い…!」という気持ちが高まりすぎて言葉にならない状態を表現するネットスラングです。
もともとの「尊い」は「崇高で近寄り難い」「極めて価値が高い」といった意味ですが、オタク文化では「好きすぎてつらい」「尊すぎて直視できない」といったニュアンスで使われます。
例えば「〇〇ちゃんの笑顔が尊い…」のように推しへの敬愛を示す言葉ですね。
この「尊い」がさらに高まったレベルで飛び出すのが「てぇてぇ」です。
漢字の「尊い」をそのまま読むと「とうとい」ですが、感情が爆発してうまく発音できない…そんな様子をコミカルに表したのが「てぇてぇ」というわけです。
言ってみれば尊さの最上級表現で、「ただただ尊い!」よりさらに「尊すぎて語彙力が消し飛んだ!」状態を指すイメージですね。
ちなみに「てぇてぇ」は文字で「TT」と省略されることもあります。
アルファベットのTを縦に二つ並べると手を合わせて拝んでいるように見える…というネットミーム的な発想でしょうか。
Twitterなどでファンが興奮気味に「TT!!!!」と呟いていたら、「尊すぎる!」という歓喜の雄叫びだと思ってください。
「てぇてぇ」の語源と起源 – 実は孫悟空が関係していた?
この不思議な言葉「てぇてぇ」は一体どこから生まれたのでしょうか?
有力なのは2018年頃に投稿されたあるファン制作の4コマ漫画が発祥とする説です。
その漫画は当時ブレイクし始めていたにじさんじ所属VTuberの月ノ美兎さんと樋口楓さんの仲睦まじい様子を描いた内容でした。
オチのコマで『ドラゴンボール』の孫悟空が乱入し、二人の様子を見て「ひゃ~めちゃくちゃてぇてぇなぁ」と叫ぶという展開でした。
ここで使われた「てぇてぇ」がファンの心に強烈に刻まれ、この言葉自体が一人歩きし始めたのです。
孫悟空は作中で独特な訛り言葉を使うキャラクターです。
例えば「お前」を「おめぇ」、「すごい」を「すげぇ」と言うような田舎訛り風のしゃべり方ですね。
「尊い(とうとい)」を悟空風に訛らせると「てぇてぇ」になる、というわけです。
つまり「てぇてぇ」は「尊い」を孫悟空っぽく発音したネットミームとして誕生したという背景があるんですね。
また、感極まって「尊い…」すら上手く言えず「て、てぇ…てぇ…」と崩れてしまった――そんなオタクの尊み酔い状態を表す擬音語とする解釈もあります。
どちらにせよ「尊い」という感情を極端化して生まれた表現であることに変わりはありません。
VTuber文化で広まった「てぇてぇ」
こうして生まれた「てぇてぇ」ですが、実際に広く使われるようになったのはVTuberファンの間でした。
VTuber同士の仲良しな絡みを形容する際に多用されることで一気に広まりました。
特にコラボ配信やカップリング要素の強いコンテンツでこの言葉は大活躍。
チャット欄やSNSには「◯◯と△△がハグした!てぇてぇ!!」といった興奮の声が飛び交います。
例えば先輩VTuberが後輩を優しくフォローしてあげる場面、長年の盟友同士が記念日にお互いへの想いを語った瞬間、ライブイベントでペアの掛け合いが尊すぎたシーン…そんな“尊死”級の名場面に遭遇したファンは、一斉に「てぇてぇ」の大合唱を繰り広げるのです。
このように「てぇてぇ」はVTuber文化を語る上で欠かせないキーワードとなりました。
オタク同士の共通言語として機能し、「今のシーンは本当に尊かったよね!」という気持ちを簡潔に共有できる魔法の合言葉なのです。
言葉自体にネガティブな意味はまったく無く、純粋な称賛と幸福感を表すポジティブワードなので、仲間内で使えば盛り上がること請け合いですよ。
公式への波及 – ファン発の言葉が番組タイトルに!
2019年にはなんとテレビ番組のタイトルにこの言葉が採用されてしまいました。
VTuberのキズナアイさんが出演したBS日テレの番組「月イチのてぇてぇTV」がそれです。
番組自体は情報バラエティでしたが、「ファンが生み出したネット流行語が地上波番組名になる」という現象は当時話題になりました。
ファンの情熱とノリがリアルのメディアにも届いた好例と言えるでしょう。
ホロライブでも「てぇてぇ」を公式企画の中で取り入れた例があります。
メンバーがファンと一緒に“てぇてぇ”な川柳を作るという趣向の番組が開催されたこともありました。
配信者本人たちもまた、「てぇてぇ」というワードをネタ的に使うことがあります。
チャットが「てぇてぇ」で溢れているのを見て、「今日のコメント欄すごいてぇてぇだなぁ~」なんて笑ったり、「あ~ん、てえてえ~」とおどけてみたり。
ホロライブのメンバー同士でも「てぇてぇ」という表現はファンとの共通ネタとして通じているようです。
ホロライブにおける「てぇてぇ」エピソードあれこれ
ホロライブは多数の人気VTuberを擁するグループだけに、尊いコンビや名シーンの宝庫です。
ファンの間でも「あの二人の絡みは最高にてぇてぇ!」と評判のカップリングがいくつも存在します。
ホロライブで人気の「てぇてぇ」ペアたち
ホロライブには数え切れないほどのペア・ユニットがありますが、中でもファン公認の「てぇてぇ」コンビとして知られているのは以下のような面々です。
ノエフレ(白銀ノエル × 不知火フレア) – まるで夫婦のような自然体のじゃれ合いで有名な3期生ペアです。
おかころ(猫又おかゆ × 戌神ころね) – 幼馴染という設定を超えて、リアルでも親しい様子に心温まるとの声多数。
あくシオ(湊あくあ × 紫咲シオン) – お互いツンデレ気質ながら根底では信頼し合っている関係性に胸が熱くなります。
スバルーナ(大空スバル × 姫森ルーナ) – 対照的な性格ながら支え合う二人の関係に「てぇてぇ」の声が止みません。
みこめっと(さくらみこ × 星街すいせい) – 歌やライブでも共演する強固な絆を持つペアで、ファンからの支持も厚いです。
ぺこマリ(兎田ぺこら × 宝鐘マリン) – 強引な船長とツンなぺこらの掛け合いが絶妙で、笑いと「てぇてぇ」が同時に生まれます。
かなココ(天音かなた × 桐生ココ) – 卒業後も語り継がれる伝説の同居ペアで、深い絆に感動の声が絶えません。
こうした関係性を応援し、尊び、語り合うこと自体がホロライブファン文化の重要な側面となっています。
最近では新世代メンバーによる新たな「てぇてぇ」ペアも増えており、推しの成長と共に尊みの形も変化し続けています。
ファンの反応と「てぇてぇ」文化
ホロライブファンは「てぇてぇ」な瞬間を見逃しません。
配信中に尊さを感じれば、チャット欄が「てぇてぇ」で埋め尽くされます。
Twitterでも「#てぇてぇ」「#○○てぇてぇ」などのタグ付きで尊さを共有する文化が根付いています。
特に切り抜き動画やファンアートの中では、「てぇてぇ」という言葉がタイトルやコメントに自然と使われています。
「◯◯と△△が仲良しすぎる件【てぇてぇ】」という切り抜き動画がバズることも珍しくありません。
ファンアートでは、二人が寄り添っている様子に「てぇてぇすぎる…」というキャプションが添えられることも多いです。
こうしたファン文化はホロライブのメンバー本人や運営にも伝わっており、時には企画に活用されるなど、公式とファンの距離感の近さも魅力の一つです。
「てぇてぇ」は世界へ?グローバルな拡散
「てぇてぇ」は日本語スラングであるにもかかわらず、海外ファンの間でも広く知られるようになっています。
英語圏ではそのまま「teetee」と表記され、「wholesome」や「precious」などの言葉と並んで使われています。
チャット欄では「TEETEE!!」というコメントが海外ファンからも飛び交うことがあり、国を超えた共通語として機能しているのです。
中国語圏では「贴贴(ティエティエ)」という表現があり、これは「ぴったりくっつく」様子を意味するもので、「てぇてぇ」とほぼ同義として使われています。
このように、VTuber文化の拡大とともに、「てぇてぇ」もまた国境を越えて広がっていったのです。
SNSで若者言葉に!? 一般層への浸透
「てぇてぇ」はVTuberファンを飛び越えて、一般の若者の間でも使われるようになってきました。
2022年には女子中高生を対象とした「JC・JK流行語大賞」で、ことば部門第2位にランクインするほどの知名度を獲得しました。
これはにじさんじの壱百満天原サロメの大ヒットによるVTuberブームが背景にあるとされており、「てぇてぇ」もその流れの中で広がったと考えられます。
現在では、アイドルオタクやアニメファン、さらには芸能人同士の仲の良さを「てぇてぇ」と称するケースも見られます。
推し文化全般において、仲良しな関係性や感動的なシーンに対して「てぇてぇ」と言う文化が根付きつつあるのです。
一方で、「てぇてぇ」があまりに乱用されることへの反発や、「ネットスラングすぎてキモい」といった否定的な意見もあります。
使う場や文脈をわきまえないと浮いてしまうこともあるため、使い方には多少の注意も必要かもしれません。
まとめ – 「てぇてぇ」はVTuber文化の愛すべき合言葉
「てぇてぇ」は、VTuber文化における重要なスラングのひとつです。
尊すぎる関係性をシンプルに、かつ愛を込めて表現するこの言葉は、多くのファンの共感を集めています。
ホロライブでも多くのペアや関係性が「てぇてぇ」と称され、視聴体験に彩りを添えてくれます。
言葉の起源はネットミーム的ではありますが、その影響は確実に公式にも波及し、さらには世界にも広がっていきました。
若者文化の中にも浸透しつつある「てぇてぇ」は、今後も推し文化とともに愛され続けていくことでしょう。
管理人のひとこと
「てぇてぇ」って最初はなんのことやら?と思うかもしれませんが、気がつけば配信を見ながら自分も自然と「てぇてぇ…」と呟いていた、なんてことが本当にあるんです。
この言葉には、ファンの気持ちがぎゅっと詰まっていて、推しを応援する中で生まれたたくさんの感情を、たった一言で共有できる魔法の力があると思っています。
ホロライブの魅力はもちろん一人ひとりのタレントさんにもありますが、仲間との関係性や、ファンと一緒に作り上げる空気感にもたくさんの「てぇてぇ」が詰まっています。
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